偏心加工とは、同じ部品の中にある異なる回転中心を加工することです。偏心シャフト、クランク軸、カムに近い形状などが代表例です。
管理するのは偏心量だけではない
中心Aと中心Bの距離が合っていても、穴、キー溝、平面に対する角度がずれれば部品は機能しません。偏心量、軸同士の平行、位相、各軸の振れを、図面の基準に合わせて管理します。
どの中心から削るか
最初に最も安定する基準軸を作り、その軸を使って次の中心を位置決めするのが基本です。ただし細い軸を先に完成させると、後工程でつかめなくなることがあります。剛性の高い部分を残し、仕上げる順番と保持する順番を同時に考えます。
複合旋盤か、専用治具か
複合旋盤のY軸や回転工具で工程をまとめられる形状もあります。一方、切削抵抗が大きい偏心外径では、専用治具で回転中心を切り替えた方が安定する場合があります。工程数の少なさだけで決めず、数量、偏心量、要求精度、測定のしやすさを比較します。
バランスと回転数
ワークを偏心させて回すと、重量の偏りによる振動が出ます。高速回転できないため加工時間が伸び、治具とワークへ加わる力も増えます。必要に応じてカウンターウェイトを設け、無理のない回転数から条件を作ります。
相談時に必要な情報
各中心軸の寸法、公差、基準面、位相、相手部品が分かる図面が理想です。図面が未完成なら、どの部分が回転し、何に組み付くかを教えていただけますか。加工方法を決める前に、基準の置き方から整理できます。