試作10個で良品ができた。そのまま同じ条件を10,000回繰り返せば量産になる。実際は、そう単純ではありません。
試作は立ち上がりの速さを優先する
10個のために高価な専用治具を作ると、納期も費用も増えます。汎用爪、既存工具、手動測定を使い、必要な品質へ早く到達する工程を選びます。途中で形状変更がありそうなら、作り込みすぎないことも大切です。
量産は再現性を買う
10,000個では、段取りの数分、加工の数秒、工具交換の1回が積み上がります。専用爪、自動供給、複合加工による工程集約へ初期費用をかけても、製品1個当たりでは有利になることがあります。
切りくずと工具寿命が主役になる
試作では人が切りくずを取り除けます。無人運転では、切りくずが工具やワークへ絡まない条件が必要です。工具も「まだ切れる」まで使うのではなく、寸法と面粗度を安定して守れる交換周期を決めます。
測定を工程へ入れる
完成後に10,000個を検査して不良が見つかっても遅すぎます。初品、工具交換後、一定個数ごとの確認項目を決め、変化を早く見つけます。必要なら機内測定や補正も検討します。
最初に年間数量を伝える
初回注文が十個でも、年間で千個になるなら、加工会社は量産へ移行しやすい基準と治具を考えられます。反対に一度だけの10個なら、最小限の工程にできます。見積もり時点で予定数量を共有することが、過剰投資と作り直しを防ぎます。