インコネル718は、高温でも強度を保つ材料です。その長所は、切削するときには「熱い刃先でも材料が弱くならない」という難しさになります。
熱が刃先へ集まりやすい
切削で発生した熱が材料側へ逃げにくく、刃先の温度が上がります。工具材種だけを変えても、周速、送り、切込み、クーラントの当て方が合わなければ摩耗は安定しません。工具寿命は時間ではなく、寸法変化や面粗度と一緒に記録します。
こする時間を作らない
インコネル718は加工硬化しやすく、刃先が切り込まずに表面をこすると、次の刃がさらに硬い層を削ることになります。びびりを恐れて切込みを極端に小さくすることが、逆効果になる場合もあります。機械とワークの剛性を確保し、刃先を安定して働かせます。
工具交換の前後で寸法が変わる
一個を削れる条件と、同じ寸法で繰り返せる条件は違います。工具摩耗が進むと切削抵抗と熱が増え、補正だけでは追い切れない変化が出ます。量産数に応じて交換周期を決め、交換直後の寸法も確認します。
材料費と失敗リスク
材料そのものが高く、調達に時間がかかる場合、再加工や作り直しの影響が大きくなります。支給材なら、失敗時の扱い、予備材の有無、材料証明の必要性を見積もり前に確認します。
見積もりは工程全体で考える
工具費のほかに、低い切削速度による加工時間、途中測定、工具交換、ワイヤ放電や研磨などの後工程、検査までを含めます。安いチップを長く使うことより、狙った品質を何個続けられるかが重要です。